10月1日からインボイス制度が始まります

適用事業者になるにはあらかじめ申請書を提出しなければなりません。

インボイス登録のメリット

取引先から取引を切られにくくなる(かもしれない)
新規の取引先と取引しやすくなる(かもしれない)

下請法等により不利な条件変更や取引打ち切りなどは禁止されています。
ですがインボイス非対応の場合、実際には「次からは頼まない」というような形で仕事が減っていく可能性はあります。

インボイス登録のデメリット

売上の大小に関係なく消費税の納税義務が発生します。
もともと消費税の納税義務がない人がインボイス登録事業者となった場合の納税額は当面は税込売上の1.8%程度です。
たとえば500万の売上があれば9万円程度の納税が発生します。

常時売上1000万以上で毎年消費税の納税義務がある人は特にデメリットはありません。

登録しないとどうなる?

上にも書いた通り、発注元との関係性に影響が出る可能性はあります。

税金についてはもともと消費税の納税義務がある人(前々年の売上が1000万以上の人)の場合は登録してもしなくても消費税の税額に影響はありません。

また、インボイス登録済みと未登録の場合とで取引条件を変更する会社も出てきます。

すでにエイシス(DL-site)はインボイス未登録の場合の卸価格変更を公表しています。

インボイス制度対応のご案内

登録するべきか?

常時売上1000万以上で毎年消費税の申告をしている人

登録してもしなくても納める消費税の額に影響はありません。
取引先との関係性のためには登録したほうが無難だと思いますが、将来売上が1000万を切ったときも消費税を納めなければいけないのでそれをどう考えるかです。

売上が1000万を切ったらインボイスの登録をやめてもいいですが、各取引先にそのことを連絡する手間を考えると面倒です。

常時売上が1000万未満で消費税の申告をしていない人

登録すると税負担が増えます。
取引先との関係性に影響がないなら積極的に登録する必要はないです。
同人誌販売のみで出版社との取引はないかあってもごくわずか、という場合は様子見でいいと思います。

ただしインボイス非対応なことで新規案件受注のチャンスを逃すリスクはあります。

売上が1000万を行ったり来たりする人

商業の仕事があり出版社など取引先との関係性を考えて登録したほうが良さそうなら登録したほうがいいと思いますが、本来なら免税事業者になれた年の消費税の負担が増えます。
同人誌販売のみで出版社との取引はないかあってもごくわずか、という場合は様子見でいいと思います。

ただしインボイス非対応なことで新規案件受注のチャンスを逃すリスクはあります。

まとめ

とらのあなやメロンブックスなどがインボイス非対応のサークルは扱わないとでも言い出さない限り、 同人誌販売のみならインボイスの登録は現時点では不要です。

DL販売メインの場合はエイシスやFANZAの報酬が切り下げになる可能性が高いです。

出版社やゲーム製作会社などと取引のある人の場合はそちらとの関係性次第です。
どこも他社の振る舞いを気にしながら様子見中というところです。登録しなかったことによる取引への影響が出てくるのはしばらく先になるでしょうから現時点では登録するのとしないのとでどちらがいいと言うことができません。

免税事業者でDL販売メインの方について

上でも触れた通りエイシスはインボイス開始後の卸価格の見直しを打ち出しました。
FANZAも横並びで同じような扱いをした場合、もともと消費税の納税義務がない免税事業者の経過措置期間中の3年間は以下のようになります。

例)税込み1,100円で5000本販売→550万の売上

登録した場合

卸価格660円×5000本=330万の売上

納める消費税:30万×0.2=6万円

手元の残り:330万ー6万=324万

登録しなかった場合

卸価格647円×5000本=323.5万(=手元の残り)

結論

インボイスの登録をしてもしなくても手元に残る金額はほぼ同じです。
売上がDL販売のみで売上1000万未満の方は登録してもしなくてもほぼ変わらないことになります。

ただしCi-enなどDL販売以外の収入もあればそちらも考慮する必要があります。その場合はインボイスの登録をするとCi-en等の売上分の消費税の納税が増えるので手元に残る金額は少なくなります。